子育てコラム
2023年12月
絵本の読み聞かせについて
近年、お子さんが絵本にふれる時間が少なくなり、テレビだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスにふれる機会が増えています。絵本の読み聞かせは、想像力や豊かな感性が育ち、語彙が豊富になり、脳の発達に多大な効果が得られると言われています。子どもたちは、自分の周りの信頼できる大人と一緒に絵本を読むことが大好きです。ぜひ、一緒に絵本を楽しんでいただきたいと思います。
子どもたちは、お話の内容や絵を楽しむだけでなく、お父さんやお母さんなどが読んでくれる言葉のリズムやテンポ、自分でページをめくることなど、いろいろなことに興味があります。お気に入りの絵本をお子さんの年齢や好きな遊びなどからその子に合ったもの、保護者の方が、小さい時に読んでもらった絵本でもよいと思います。小さいうちにできるだけ多く絵本に触れる機会を持ち、お気に入りの一冊を見つけてほしいと思います。
子どもは気に入った絵本を何度も読んで欲しがります。時間の許す限り読んであげてください。毎日の読み聞かせの時間は親子のコミュニケーションが密になり、子どもの情緒不安定の安定にもつながります。
親子で同じ1 冊の絵本を楽しんだ経験は子どもたちの心の財産になると思います。短くてもいいので絵本と触れ合う時間を持っていただきたいと思います。
今月のおすすめ本
『くまさん おでかけ』
なかがわりえこ/ぶん なかがわ そうや/え
福音館書店 2007.4
くまさんがひとりでおでかけ。石につまずき、水たまりや大きな木を通って、おみやげを摘んでおうちに帰ります。
くまさんの足あとに注目してみましょう。色の変化からは、絵には描かれていない道や水たまり、野原があることがわかります。また足跡には一歩一歩数字が書かれています。
「いってまいります」から「ただいま」までは100歩。行きにつまずいた石を帰りには蹴っとばし、じゃぶじゃぶと通った水たまりは飛び越え、おでかけですっかりたくましくなって戻ってくる様子が見てとれます。
たったの100歩でも、こどもにとっては大きな冒険。キョロキョロソワソワとなかなか進まないおでかけも、大らかな気持ちで応援したくなりますね。