子育てコラム
2022年9月
絵本の読み聞かせについて
近年の調査によると、一日の読書時間(絵本に触れる時間)が平均10分以下の幼児が過半数を占め、テレビだけでなく、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスに触れる幼児が増えつつあります。子どもたちはお父さんやお母さんなど、自分の周りの信頼できる大人と一緒に絵本を読むことが大好きです。絵本の読み聞かせは、子どもの情緒の安定や言葉の習得にも効果があると言われています。
では、どんな絵本を選べばよいのでしょう? これは!と選んで読み聞かせをしても反応がいまいちということもあるでしょう。子どもたちは、お話を楽しむだけでなく、言葉のテンポや挿絵の色、ページをめくる音、紙の温かみなど、いろいろなことに興味を持ちます。その子によって興味を持つポイントは違うので、絵本選びは難しいですね。お子さんの年齢に合わせたものをネットで調べてみてもいいでしょう。お父さんお母さんが、小さい時に読んでもらった絵本でもよいと思います。小さいうちにできるだけたくさんの絵本に触れさせてあげて、お気に入りの一冊を見つけてほしいと思います。気に入ったものが見つかると、子どもたちは何度も読んで欲しがります。またこれ?と感じるかもしれませんが、時間の許す限りお気に入りを読んであげてください。繰り返し読み聞かせをすることで、文字は読めなくても一緒にお話を始める子もいるはずです。
一日一冊でも構わないので、ぜひ読み聞かせの時間を作ってあげてほしいと思います。図書館や書店へ出かけてみるのもよいかもしれませんね。
今月のおすすめ本
『きこえる?きこえるよ』
たしろ ちさと/絵
グランまま社 2008年
耳を澄ませている男の子と子ザルのやさしい絵に惹かれて本を開いてみると、文字がありません。でも、ページをめくるたびに聞こえてくる聴こえてくる…。
どの絵からも確かな音がきこえてきます。
この絵からはどんな音がきこえた?
お母さんにはこんなふうにきこえたよ?
こどもの耳に世界の音がどのようにきこえているか気づいたり、こどもがまだきいたことのない音だと気づいたり、こどもだけではなく大人にもたくさんの発見がある絵本です。こどもと会話しながら何度でも楽しんでください。
この本はこどもの6つの感覚を絵本にするというThe Book of Senceシリーズの1冊です。同シリーズの他の本もよろしかったらどうぞ。