子育てコラム
2022年2月
食べものの好き嫌いについて
子どもの好き嫌いや少食、食べすぎなどは、子育て中のお母さんにとって、大きな悩みの一つです。特に、好き嫌いは1~2歳のころになると見られるようになり、「今までは食べていたのになぜ?」と戸惑うお母さんが多くなります。悩みの種の好き嫌いですが、子どもの味覚が発達し、自己主張ができるようになった「成長の証」でもあります。
ポイントは、「何とかして食べてもらおう」と苦手なものを無理強いしないことです。大好きだった食事の時間がつらくなると、子どもの食べる意欲も減ってしまいます。栄養学的には、ピーマンが苦手でもブロッコリーが食べられればほとんど問題はありません。焦らずに、気長に見守りながら、味付けを子どもが好きなカレー味やケチャップ味にしたり、「一口だけでも食べてみようね」と励ましたり、食べられたら大いにほめてあげることも大切です。
嫌いなものを食べることができた!という自信は、苦手なことに挑戦する意欲にもつながると思います。子どもの反応に一喜一憂せず、ゆったり構えた方が良い結果につながります。
今月のおすすめ本
『いっぱいやさいさん』
まど・みちお/文 斉藤 恭久/絵
至光社 1992年
「きゅうりさんは、きゅうりさんなのが うれしいのね」
こんなやさしい語りかけではじまる、詩の絵本です。
たまねぎ、ラディッシュ、ほうれんそう、にんじん…それぞれの野菜の魅力が、詩人のまど・みちおさんならではの、あたたかい言葉でつづられていきます。
ていねいに描かれた野菜たちの絵は、みずみずしさがあふれています。そしてそのそばには、ありやてんとうむしなど、小さな虫の姿も。野菜も虫も、みんな生きているんですね。
「やさいさんたち、みーんな みんな うれしいのね。だいすきな やさいさんに してもらっちゃって」
自分が自分であることがうれしい。まどさんからのそんなメッセージが、小さな子どもも大人も、きっと笑顔にしてくれることでしょう。
ぜひ身近な大人の声で、お子さんに語りかけてあげてください。